top of page

国際物流混乱、世界各地で不透明感続く

国土交通省は、国際物流に関する官民情報共有会合を開催した。荷主、船社、航空会社、物流事業者や関係団体の代表者がそれぞれの立場から国際物流の現況を報告した。マースクやJIFFA(国際フレイトフォワーダーズ協会)の代表者らによると、「欧州港湾ではコンテナがあふれかえり、往航・復航とも遅れが状態化している」という。欧州航路のスケジュールの順守率は大きく低下し、航海日数も増えている。対ロシアの経済制裁により、EU(欧州連合)・英国税関当局が貨物検査を厳格化したことに加え、シンガポールなどアジア側のトランシップ港の混雑が要因だ。欧州の陸側では輸送が中断されたロシア向け貨物の滞留により倉庫スペースが圧迫され、ウクライナ人ドライバーの帰国でドライバーが不足している。さらに、ハンブルクなどの独港湾でストが行われたのに続き、ベルギーのアントワープ・ブルージュ港で労働組合がストに入った。英国では今週、計3日間の鉄道ストが計画されるなど、欧州ではインフレなどを背景に労使の緊張感が高まっている。今月ロックダウン(都市封鎖)が解除された中国・上海の国際物流については、「立ち上がりは比較的緩やか」だという。沖待ちなども限定的で、現在は滞留していた輸入貨物の処理が優先されている。ただし、防疫措置のためにドライバーなどの人手不足が続き、トラックは奪い合いの状況だ。空港でもハンドリングスタッフが不足しているという。政府のゼロコロナ政策により、突然の地区封鎖なども起こっている。こうした中、中国からの出荷が欧米側の需要次第で急増し、混乱が生じる可能性が危惧される。一方で、荷主の間では中国の生産拠点を複数国・地域に分散させる「チャイナプラスN」の検討が加速している。その受け皿となっているのが東南アジアと見られる。東南アジアでは現在荷動きが拡大し、主要港での混雑が続く。本船の変更や抜港も頻発。輸出国のタイではコンテナ不足が顕著になり、物流企業は対応に追われている。

閲覧数:12回

最新記事

すべて表示

アジア太平洋地域の航空会社、貨物需要の増加を見込む

アジア太平洋地域をハブとする航空各社において、8月の国際貨物の積載率が4ヶ月連続で上昇した。日本航空 (JAL/JL)、全日空(ANA/NH)などアジア太平洋地域の主要航空会社が加盟するアジア太平洋航空協会(AAPA)の発表によると、8月の航空貨物需要は前年比12.2%増加...

米東海岸ストライキ、賃上げ合意により3日で終結

9月1日より30か所超の米国東海岸とメキシコ湾岸の港湾で発生した大規模な港湾労働者のストライキが終了した。約半世紀ぶりといわれた大規模ストライキにより遅延やコスト増加が懸念されていたが、賃上げについて暫定合意に至り3日で終了した。合意により、港湾労働者の賃金は6年間で60%...

7月の香港からの航空貨物運賃、前年より高く安定

7月の香港発欧米向けの航空貨物運賃は、6月と比較してほぼ横ばいだったが、前年よりは高い水準を維持している。バルチック航空貨物指数(BAI)によると、香港からヨーロッパへの運賃は$4.50/kgに減少し、北アメリカへの運賃は$5.72/kgへと減少した。全体のBAIは0.9%...

コメント


bottom of page