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関西国際空港、貨物再開状況②

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  • 2018年9月10日
  • 読了時間: 3分

台風21号の影響で関西国際空港に被害が出たことを受け、フォワーダー、エクスプレス事業者は対応を急いでいる。フォワーダーは関空対岸のりんくうタウン(大阪府泉佐野市)や南港航空貨物ターミナル地区(大阪市住之江区)の拠点で貨物を受け、成田、中部などに転送している。関空島内にある、大阪税関関西空港税関支署への申告も再開した。ただ、関空内施設は停電の影響に加えて、完全再開までの時間も鑑み、関空内の代替機能を臨時的に関空外に確保する動きが出ている。

日本通運関西空港支店の被害状況として、輸出用、輸入用上屋とも、強風の飛来物で、天井面の穴あきや留め具などの落下などを確認した。関空全体が冠水したが、上屋内でも海水に濡れたゴミや泥が堆積している状況。また、冠水のためにパソコンなど電子機器や電源が使用できない。 自家発電機を調達し、冠水を免れた電子機器の

稼働確認を行う。上屋内の清掃ができる状況になり次第、清掃、整理、貨物状況の

確認を開始する予定だ。

同地区に自社上屋を構える阪急阪神エクスプレスは、航空貨物の大阪仕立混載を東京仕立てに変更する。西日本地区で集荷した貨物は、南港通関センター(大阪市住之江区)と神戸通関センター(神戸市・神戸航空貨物ターミナル内)で通関し、9月10日から

成田と羽田にトラックで定期転送する。成田カーゴターミナル(千葉県山武郡芝山町)に直接搬入される。輸出貨物は、関西エリアからクロス申告により通関する。関空向けの輸入貨物に関して、案件ごとに仕向地を変更し対応。関空勤務の通関士を中部国際空港と成田にそれぞれ数人配置し、関空通関時と同様の、配送手配まで一貫した輸入通関体制で臨む。海上貨物は同日から、自社輸入混載のデバン作業を順次再開する。

りんくうタウンに自社施設を構える近鉄エクスプレスの確認によると、りんくうターミナル自体には大きな被害はなく、滞貨の荷捌き作業を行っているとのこと。10日から通関申告を関西空港税関支署向けに開始した。

にしてつのりんくうロジスティクスセンターでは、一部被害はあったものの、運用上に支障はないとのこと。関西国際空港税関支署への申告も開始した。関空では第1国際代理店ビルに事務所があり、9日には電話、通信機能が復活した。現在業務自体はりんくう事務所に集約して対応している。同センターで受託し、関空で航空会社が受託できない貨物は中部、成田へ転送している。

関空2期島に北太平洋地区ハブを構えるフェデックスエクスプレス(フェデックス/FX)は8日からオペレーションを再開した。同日の運航便数は6便。現在、空港の状況や交通規制が行われている連絡橋利用の状況を確認しながら、通常の業務回復に取り組んでいる。

DHLジャパンは西日本地区のゲートウェイ機能として「関西国際ゲートウェイ施設」がある。施設内の自動仕分け機に一部、浸水被害があったが、早期回復が見込まれている。当面は「中部国際空港ゲートウェイ施設」を生かすため、中部空港のフライトを増強する。


 
 
 

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