日本貨物航空(NCA/KZ)は16日、同社が運航する航空機の整備記録に事実と異なる記載があることが発覚したため全便の運航を一時停止すると発表した。停止期間は1週間程度を見込んでいるが、長引く可能性もある。
日本貨物航空(NCA/KZ)は日本郵船の傘下で、旅客便は保有しておらず、大型貨物専用機のみを運行するキャリアである。旅客便で搭載できる貨物は高さが最大で155センチ程度までとなっているため、貨物専用機は旅客便では搭載できない半導体製造装置や精密機器、完成車などを主に輸送している。
大手フォワーダーによると、日本貨物航空(NCA/KZ)からの正式発表は16日深夜2時ごろで、まさに寝耳に水だったとのこと。前日の15日金曜日には予約を受け付けており、特に異常は感じられなかった。ところが一夜明けて16日土曜日の朝には、運航停止を受けて、日本貨物航空(NCA/KZ)から各フォワーダーに予約貨物の遅延、受託停止の連絡が入ったという。16日の成田空港貨物地区では、日本貨物航空(NCA/KZ)に搬入されるべき貨物が行く先を失い、トラックの渋滞が発生していた。
通常、航空会社の貨物予約は平日9時から17時までとなっている。そのため、16日に急遽行く先を失った貨物の一部はフォワーダーの上屋に戻されたとのこと。週末に再予約ができなかった貨物は18日月曜日から再予約となる。
B74Fという大型貨物専用機を運航しているのは日本では日本貨物航空(NCA/KZ)だけである。一部フォワーダーによると、今回の運行停止で影響を受けた貨物は直近で300トンほどあるという。代替輸送として、韓国、台湾、香港経由のフライトなどが検討されており、週明けから混雑が予想される。